生体読影
症例:多発骨転移疑い
経過
xxx1年 | 腰痛あり、社会保健病院にてL4/5の変形辷り症と言われていた。 |
xxx7年2月 | MRI実施、カルテ記載ではL4/5の狭搾あり。 |
xxx7年12月までリハビリテーションを行う。 | |
xxx0年11月 | 10月末からの腰痛があり、締め付けられるような痛みということで再診。 |
翌日、MRI実施 |
骨壊死と骨転移
骨壊死 | 今回の症例 | |
辺縁明瞭で地図上の形態 | あり | そうともとれる |
脂肪を示す高信号を含む | あり | あり |
T1強調像における辺縁の線上の低信号域 | あり | そうともとれる |
T2強調像における低信号と高信号の二重線 | あり | ない |
Ai読影
T1強調画像矢状断像
- L2の椎体の信号はT1WIで低下している。椎体の変形があり圧迫骨折と考える(○)。
- L3,4,5にも円形の信号低下が認められる(→)。
- いずれの病変も造影効果を認める。
- xxx1年3月のMRIでは、多発骨転移が進行しており、椎体背側の凸状の形態(丸)、後方要素への進展などが認められる。
- これらは転移の所見として典型的である。
意見
- 転移性骨腫瘍とは断定出来ない。L2の椎体の圧迫骨折は、骨粗鬆症による圧迫骨折が鑑別診断としてあがり、L3,4,5の円形の病変については骨壊死が鑑別診断としてあげられる。
- 一般の整形外科医が転移性骨腫瘍と断定出来るほどの典型的な所見は無い。
- 通常放射線科診断医が、腫瘍の可能性は否定的であるとまで報告書に記載があれば、その診断に従って治療を進めるだろう。
骨転移があるかどうか
診断が困難な場合があります。そんなときには画像の専門家の意見が必要です。
T2強調画像矢状断像