FAQ
Q: なぜ死因を究明しないといけないんですか?
回答:
最近よく新聞記事などで俳優の○○さん急性心不全で死亡などとかかれることがあります。
人間死ぬときは最後に心臓が止まってしまいますので、これは死因不明とほとんど同義語です。
身内にお亡くなりになったかたがいらっしゃる人なら分かると思うのですが、癌などで病院に長期入院していても最終的には肺炎などを起こして急に症状が悪化し死亡する事があるのです。
このような場合、介護をしていた遺族としては、「私たちの介護に問題があったから急に具合が悪くなったのかしら」
「治療や看護に不備があったのではないか」などと様々な疑問がおこり、その後も自分の中でわだかまりとして残ってしまう方がいらっしゃいます。
また、お葬式の時、「なぜお亡くなりになったのですか?」と聞かれても、最後の状態が分からないと
「よく分からないけれど最後急に苦しいといって亡くなったんですよ」としか答えられないということがおこるのです。
このような時、Aiを行っておけば、亡くなるときの状態がきちんとわかり、周りの方にも亡くなった原因をきちんと説明できるのです。
何より、介護を行った本人が「ここまできちんと介護を行った」と納得することができるのです。
このように、通常の病死でもきちんと死因を知ることは必要なのです。
ましてや、自宅で急変したものなどでは、Aiで死因究明を行って事件性がないことを証明する必要があるのです。
Q: 日本以外ではどうなっていますか?
回答:
解剖率が世界の他の国と比べてもかなり低いという現実があります。これには制度などの問題がありすぐに改善することは不可能でしょう。
これを補うべく注目されているのがAiです。日本では1万台以上のCTが稼働しておりこれはアメリカとほぼ同じ程度の台数です。
人口比や撮像単価などを考えると世界中で日本ほど、高性能のCT装置が全国に普及し、安く(保険制度があるからですが)検査が可能な国はありません。
また近年、諸外国でもAiが注目されてきておりますが、ほとんどが法医学関連の犯罪に関連した症例にのみ行われているのが実情です。
オーストラリアのビクトリア州法医学研究所 http://www.vifm.org/
スイスベルン大学 http://www.virtopsy.com/
などが解剖前にAiを取り入れています。
Q: 解剖と剖検の違いは?
回答:
基本的には同義です。病理や法医では「解剖」と「剖検」どちらの表現も大差なく用いられます。
Q: 遺体の搬送問題は?
回答:
Aiを目的とする遺体搬送については、現状では所轄警察に相談する必要があります。
犯罪の可能性を疑う異状死体であれば、その時点で警察に連絡して司法解剖の必要性を検討することになります。(医師法第21条)
一方、病死例に対するAiを目的とする遺体搬送については全国一律の見解がありません。
地域ごとに個別に判断されている可能性が高いです。
遺体搬送に際し、死体検案書などが必要だと考えた方が良いですが、その際には搬送のためだけの死体検案書を交付する方法もあり得ます。
搬送の費用負担についても定まった見解がありません。
病院負担としているケースや家族負担としているケースがあります。
Q: Aiは遺体損壊にならないのか?
回答:
通常の撮像目的の放射線照射を前提に考えればAiは遺体損壊にならないと考えてよいでしょう。
一般に放射線照射が傷害を来すのは「生きた細胞」に対してです。
遺体に対しては通常の撮像レベルの放射線照射は遺体損壊となりません。
ですが一方で文化的な意味での遺体の扱いや故人の尊厳という観点から問題視される可能性もあります。
伝聞ですが、厚生労働省医政局医事課・総務課の担当者との面会で、医療機関で適正な管理(衛生・被曝・遺族の了承)の下に行われるのであれば、死亡時画像診断について現時点での法律面での裏付けは必要ないと考えられる(死体損壊の危険がないので、剖検に対する死体解剖保存法にあたる法規は不要との解釈)というコメントが得られたそうです。