Ai情報センターの役割と特徴
(1)第三者による読影
Ai情報センターの役割として重要なことは、第三者機関として、公平、公正、中立的な立場で読影を行い、情報を開示することです。
これは、特に医療機関での診療関連死などの場合重要となります。
医療事故が疑われた病院が、「Aiを行いました。読影もきちんと行っています」といっても、司法の場では、通用しません。
非破壊検査であるAiの検査の実施は、該当病院で行っても、Aiの読影に関しては、第三者が行われなければ、証拠として採用されない可能性が高いのです。
医療事故が疑われた場合、最も重要なことは、Aiを行い、第三者の意見により遺族が納得するかという点にあります。
診療関連死であることを見つけることも重要ですが、それと同等に、診療関連死でないと証明することも重要です。
診療関連死の場合、多くが医療行為に伴うものですから、侵襲的な行為であり、死亡する場合は、それなりに大きな所見(出血、縫合不全によるfree Airなど)が伴います。
言い換えれば、外傷死と呼んでもよいでしょう。この外傷性変化については、解剖所見とAiの一致率は86%という報告もあります。
つまり、診療関連死で死亡するほどの外傷がある場合には、解剖と同程度Aiで発見することができるのです。
逆に、Aiで死因が不明ならば、診療関連死でないと言うことも出来ます。
「客観的な情報を、第三者が評価する」、これがAi情報センターに求められる使命です。
(2)複数鑑定の意義
Ai情報センターでは、開設当初よりAiに関する画像鑑定業務を行ってきましたが、遺族や、関係施設などからの要望もあり、死後画像だけではなく、生体画像だけの症例についても画像診断や鑑定を行っています。
また、この鑑定業務は、Ai情報センターとして受け、複数の画像診断医が一つの報告書を作成するシステムをとっています。
最近では、Ai特有の事情に起因する誤診を避けるため、Aiの経験を積んだ複数の専門の医師が読影することが望ましいという意見があり、裁判所が鑑定の依頼先としてAi情報センターが選ばれるようになってきました。
これは、被告原告の双方が、専門外の医師の意見書を提出して互いの意見書を非難しあっても時間と費用の浪費でしかないということに司法関係者が気づいたということでしょう。
裁判員制度の導入とともに今後裁判での証拠としてのAiおよびその読影の重要性が高まって来ているのです。