Ai依頼時の注意点


各病院へのAi実施依頼について

諸機関が各病院にAiの実施を要請する場合は、以下の点に注意してください。

 

Aiは無報酬ではできないこと

現在警察関連の一部のAiについては費用が拠出されていますが、不十分な額です。これは、検査費用が設定された当初、検査の実施だけの料金を算定し読影について考慮していなかったからです。

現在いくつかのセンターでは、検査および読影費用を含め5-6万円程度が設定されています。検査を終了した後事件性が無いから費用を払わない、救急搬送された症例だから費用を払わない等ということがあると、相互不信に陥り今後検査を引き受けない施設が出てきてしまうおそれがあります。

 

Aiは検査と読影に分けて考えるべきであること

健診などと同様に、検査をし、読影をし、結果が判明して初めてAiは完結します。検査のやりっ放しではAiとはいえません。

現在、放射線専門医は不足しており、すべての病院で読影ができるわけではありません。まず、検査の実施だけでもできるか確認してください。それと別にAiの読影もその施設で可能かどうかを確認してください。

 

Aiの検査実施は診療放射線技師が行うこと

近年の撮像装置は複雑になっており、きちんとした条件で撮像しないと良好な画質を得ることはできません。

これらの検査の中心的な役割を行うのは診療放射線技師の方たちです。ただし、Aiはかなり特殊な検査でありまだ普及しておりません。Aiガイドラインも出版されていますのでそれを参考にしてプロトコールを設定する必要があります。不明な点についてはAi情報センターに確認してください。

 

Aiには読影が必要であること

どの分野もそうですが、画像診断も専門分野が多岐にわたります。すべての画像診断の専門医がAiの読影ができるわけではありません。

Aiでは通常の生体では起こりえない現象が出現したり、救急蘇生処置などの影響も受けます。また、多くの診断医が通常の読影で手一杯であり、現状ではAiに対して費用拠出がなく、訴訟などのリスクが高いAiの読影を受けるとは限りません。

 

外部からの搬入については十分注意を払うこと

ある意味院内で亡くなったかたについては、生前の情報などがあり、感染などについての防護処置も実施してからAiを行います。

しかし外部から搬送される遺体については、どの様な既往歴があるか、どの様な状況で亡くなり、どの程度時間が経過したかなど不明なことが多いと思います。医療施設の安全を守るためにも汚染防護の対策は十分に実施してください。

遺体収納袋(セフティーワンhttp://ceremobag.jp/)などの使用が望ましいと考えています。搬送方法、時間、経路などについても十分病院側と話し合う必要があります。

 

要点

  • 費用は必ず申請者が負担する。
  • 検査時間などについては、各施設の事情を考慮する。
  • 搬入、搬出などは申請者が行う。
  • 器物破損および汚損について十分配慮する。
  • 検査と読影を分けて考え、まず検査の実施をお願いする。
  • 読影について実施が困難な場合はAi情報センターを利用する。